第46回 ~人情女将の温かさ~

こんにちは、筧です。私が長年お世話になっている人で、錦の割烹料理店を営む女将さんがいます。接待や会食など仕事絡みで立ち寄る以外にも、正月のおせち料理を毎年お願いしていたり、家族ぐるみでのお付き合いが続いています。お店に入れば、まずぱっと目に付くのが、格式のある大きなカウンター。そして、活気のある板場です。きちんとしている感じが伝わってきますが、決してお客を窮屈な気分にはさせない、とても雰囲気のよいお店です。テーブルを回ってご挨拶しているのがこの店の名物女将。

茶目っ気たっぷりで、面倒見がよく、経営者のボヤキにも歯に衣着せぬもの言いで、ズバズバと返すその気概に魅せられて、ファンも多い方です。私も、仕事で行き詰った時に少しこぼすと、身内のように親身になって聞いてくれ、叱咤激励と、それからたくさんのダメ出しをされました。婚活男女のための自分磨きの講座「結婚予備校」の準備を進めていた頃のことです。ご縁に恵まれてA先生やB先生にも協力して頂けることになった、と報告すると、「華やかな女性講師の方に来て頂くみたいだけど、あなたが一番輝かせないといけないのは参加者のお嬢さん方なんだからね。先生方が眩しくて、その子たちが気後れしちゃうようなことをしては駄目よ。みんなの良いところを引き出して、自身を持たせてあげてね。」

と助言してくれました。そう言う女将の顔は、まるで年頃の参加者の娘を持つ、その母のようで、本当に心を砕いて言ってくれているのを感じました。誰に対しても心遣いを忘れず、垣根をこえた愛情で包んで接する女将さんの温かさが滲み出ている出来事でした。また、行儀作法にも厳しい人で、テーブルマナーがおかしいと、大人に対しても「かけちゃん、そうやって遠くから取るとおしょうゆ垂れるでしょ。和食は小皿を口の側まで運んでいいのだから、受ければいいのよ。」「○○くん、箸の持ち方ちょっとおかしいで。」と、さりげなく注意してくれるのも感謝しています。

なくて七癖、無作法だと知らずにやってしまっていることは、言ってくれる人がいなければ自分で気付くことは難しいもの。疎ましく思われてもいいから、相手がよそで恥ずかしい思いをしないように、というのが一貫した女将の姿勢です。かつて、私が小さい頃は、夫婦喧嘩の仲裁に町内の人が駆けつけたり、自分の子でなくても隣近所の大人たちが遠慮なく本気で叱って躾けてくれたものでした。会社でも、昔ほど上司は部下を叱らない。今、垣根のない大きなコミュニティが当たり前のようにないなか、泣きながら怒り、嬉しい報告には手放しで共に喜んでくれる、そんな心美人の女将を慕って来る客が絶えません。

H24.3.16

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