第45回 ~内観を通じて気付いた母の愛情~

こんにちは、筧です。皆さんは「内観」というものをご存知でしょうか?内観は、仏教の修行法の一つである「身調べ」を元に、創始者の吉本 伊信氏が宗教色を取り除き、自分を見つめ直して、他者によって生かされている自分に気付くという自己洞察のための修養法です。日本発祥の心理療法として内観療法と呼ばれ、森田療法とならび海外でも広く知られるようになりました。内観は、全国約30ヶ所余りに設けられた「内観研修所」に一週間滞在して行なう方法が一般的です。研修所では部屋の片隅を仕切りで囲んだ半畳程度の空間に楽な姿勢で座って、朝6時から夜9時まで、トイレと入浴と寝る時以外はその中で過ごして、生まれてから現在に至るまでの自分について掘り下げていきます。

食事も衝立の中で摂ります。小学校低学年・高学年・・・と年代別に、家族や身近な人に「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」について思い出してゆきます。1,2時間おきに面接者が回ってきて、「だれに対するいつの自分を調べましたか?」と思い出したことの確認があります。内観では、特に母との関わりを回顧することに重きを置きますので、私が初めて内観を体験した時も、まず母にしてもらったことを掘り下げていきました。はじめは、なかなかうまく思い出せず、ただ時間ばかりが経っていきました。煮詰まっている頃に巡回の面接者より「たとえば、小さい頃に熱を出して、寝ずに看病してもらったことなど、ありませんでしたか?」と口数は少ないけれど、ヒントとなる一言をもらって、それを糸口にまた思い返していきます。

そのうち、遠足の前夜から準備をして作ってくれたお弁当のことなど、自分がしてもらって嬉しかった出来事を思い出しました。それから、自分では有難みを感じていなかったけれど、母が私のために嫌な顔もせずにしてくれたことの数々が、あれもこれもと湧き出てくるようになりました。面接者から次のテーマの「して返したこと」を調べるように言われ、思いを巡らせます。しかし、子どもの頃の家の手伝いにしても、後でもらうお駄賃目当てだったり、見返りなしに母にして返したことを挙げるのに、ひねり出そうとしても全く出てきません。母親の無償の愛の前に、感謝しているつもりで何も出来ていなかったことに愕然としました。そして、自分が反抗期で荒れていた時にどれだけ迷惑や心配を掛けたかも身にしみて、腹の底から申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。研修所で行なう集中内観は、2度参加したのち久しく行なっていませんが、今でもプチ内観を日常のなかに取り入れています。気持ちや考えを整理し、慢心しないブレーキとなる大事な習慣です。

H24.3.9

このページの先頭へ

株式会社リバースは愛知県稲沢市から人材派遣・人材紹介などあらゆるサービスを全国にご提供しています。