第36回 ~企業としてのプロ意識とは~

こんにちは、筧です。これまで5回に渡り「プロ意識とは何か」について書いてきました。現場・個人のプロ意識、社長のプロ意識、チームでのプロ意識・・・そして今回は、企業としてのプロ意識についてです。弊社の取引先でもある青果卸売企業のA社では、10年ほど前からオリジナルの「コンテナ物流システム」の取り組みを始めました。これは従来の青果流通においての「当たり前」を打ち破る画期的なものでした。

農作物が生産者から卸、小売業を通して消費者の手に渡る間に、大量に消費されるものがあります。何か分かりますか?そう、農作物が入れられていたダンボールの箱です。農作物が店頭に並び、役目を終えると、それらは解体・廃業されることになるのですが、生産者サイドでは出荷のための必需品として欠かせませんし、またその結果、小売業の現場では段ボールの処分ににコストと手間を掛けてきました。

A社のシステムの鍵となるのは、プラスチック製の折りたたみ式コンテナです。それを生産地での農作物の箱詰め作業から使用してもらうようにしました。コンテナは、自社の運搬用トラックに適合するよう統一した規格で作られているので、荷台にデットスペースも生まれません。荷積の作業時間なども短縮されることとなりました。スーパーなどの小売業では、空箱になったコンテナを畳んで保管してもらい、配送の折に定期的に回収します。そして社に持ち帰った回収コンテナは、自動洗浄機で洗浄・殺菌された後、再び生産地へと送られるのです。

このリサイクルできるコンテナの導入は、環境への配慮、中卸としてA社自身が求められる作業の効率化・農作物の鮮度向上や運搬中の痛みを減らすというメリットの他に、生産者と小売業の双方の負担を減らすことになりました。生産者は段ボールの消費を抑えることができ、また雨の日の出荷作業も楽になりました。小売業では段ボール解体の手間が省けるだけでなく、見栄えのするコンテナをそのまま店頭に陳列して売ることも出来ます。

もしこれを、一生産者や一小売業者が発案しても、なかなかシステムに乗せて実現化することまでは難しかったでしょう。中卸というポジションにあるA社が、全体を見渡し、取引先をも巻き込んで行ったからこそ、その取り組みが功を奏したのだと思います。企業の役目として社会に利益を還元できることは何か?従来の仕組みを時代のニーズに合わせて修正できることはないか?企業は企業としてのプロフェッショナルであるために、利益追求を超えた努力を惜しんではならないのです。

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