第34回 ~現場のプロ意識を認めて任す~

こんにちは、筧です。いよいよ年の瀬も迫り、忘年会シーズンとなりました。今年は、震災以降、全国的に自粛ムードが広がったため、歓送迎会シーズンの春先が稼ぎ時にも関わらず売り上げが低迷するなど、飲食店経営においては非常に苦しい時期もあったと聞きます。ようやく仕事帰りに飲みに出る人も多くなりイルミネーションに彩られた街を人が行き来して賑わうようになりました。

飲み会のシーズンになると、ふっと思い出す出来事があります。それは、起業して数年が経った頃のことでした。夜の11時過ぎに、経営者仲間からみんなで飲みに行くから一緒にどうだ、と誘われました。その日のうちの会社の派遣先の現場は、夜間業務で稼動しており、人手が少ないなかでの作業が続いていました。あちこちの現場から連絡が入って、私の携帯電話が何度も鳴ります。誘ってくれた年の近いA社長に、私は「今から入らなくてはいけない現場があるのでまたの機会に宜しく。」と断りました。

すると、「かけちゃん、頑張るのはいいが、こんな時間から中途半端に行くのは、ただの徒労だよ。現場の社員の手柄を社長の手柄にしてしまうのか?社長は現場にある程度任せて、手柄を譲ることをそろそろ覚えないと駄目だよ。」とたしなめられました。私はその時、自分の行動を否定されたことにムッとして「二代目社長のA君はそう言ってられるかもしれないけど、うちみたいな小さな興したての会社じゃ、社長でも自分が動くしかないんだよ。別に好きでやってるわけじゃないさ。」と語気を荒げて反論してしまいました。

気持ちに余裕がなくて、素直に聞けなかったAさんの言葉でしたが、頭の片隅にずっと引っかかったまま残っていました。以前、自分はどんな振る舞いをしていたのか?一緒だったスタッフはどういう気持ちだっただろう?社長はみんなの親分だから、一番しっかりした仕事ぶりを見せなくては、という体面と、一生懸命な姿を見れば、それに倣ってみんなも頑張ってくれるだろう、という期待で現場スタッフの補助に回り仕事を見守るというよりも、どれだけ自分が間に合う仕事をして現場を回すかということに傾いていた自分に気付いて、若い気持ちが広がりました。

自分のやっていたことは、例えれば、球団監督が投手を押しのけてマウンドで必死に投げているのと同じでした。現場は現場のプロ意識を持って仕事をしている。そのことを認めてやるのが社長の仕事。社長が現場の一番になっては、それは現場スタッフレベルでのプロ意識から脱していないということです。社長は「社長のプロ」でなくてはならない、そう教えられた出来事でした。

H23.12.23

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