第28回 ~叱ってくれる人のいる有り難さ~

こんにちは、筧です。一年半ほど前にこんな出来事がありました。知人が突然来社し、なにやら慌てた様子で切り出しました。「訳あって早朝に行なう会合の会場を探している。お宅の会社のセミナールームを急遽貸してはもらえないだろうか?」との相談でした。聞くところによると、予約していたホテルの会議室があったのだが、早い時間に大きな声をだす朝礼があるため、直前になって今後の利用を断られてしまったそうです。

会場提供を引き受けた後、私は用事があったため、スタッフに「明日は外部の方がセミナールームを使用されるから、古い机の天板の側面が剥がれているところ、テープで貼って直しておいてね。」と伝えて出掛けました。翌日の会合で、その日のメイン講師の女性の方が教壇の前に立たれた際に、「この会場のオーナーはどなたですか?」と訊ねられました。後方で傍聴していた私は、「はい、私です。」と手を挙げて返事をしました。

内心、会場の御礼を言われるのかな?と思っていると、「お借りしておきながら言うのもなんですが、大事なことなので申しますね。人様に会場を貸されるのに、こういう状態では、とてももったいないですよ。おもてなしをするホストは、借りた人が気持ちよく使えるようにもっと気配りをしないといけません。」と、歯に衣着せぬ物言いでズバッと指摘されました。「こういう状態」というのは、前日に私の目でも気付いていたあの天板の剥がれのことでした。

指示したスタッフもうっかりしていたのでしょう。修繕されぬまま当日を迎えてしまったのです。当日これはマズイと思いながらも、今回は急だったし、このままやり過ごすしかないと軽く判断した自分のその甘えに恥ずかしくて真っ赤になりました。そして依頼した知人の評価まで下げることをしたと、大変申し訳なくなりました。人に頼んだのなら、やり残しがないか点検できるよう自分は早く会場入りすべきでした。社長が自ら掃除したトイレは、社員も綺麗に使おうとします。そもそも他人に任せるのではなく、自分が率先して、ここまでやることが必要なのだと取り組む姿勢をスタッフに見せねばなりませんでした。

不満を持つお客様が、クレームを言うよりも、通う店を変えるように、心のなかで同じように思っていても、敢えて苦言を呈する人ばかりではありません。会場提供した私を甘やかさず、気付きの機会を与えようとストレートに言ってくださった講師の方は、ご自身が客商売のサービス業をしていてホスピタリティの重要性を理解し、実践している人だからこそ厳しい一言を口にされたのだと思います。会社のトップに長くいると自分を指導してくれる存在は得難くなります。本音で物を言い、叱ってくれる人がいることは有難いのです。

H23.11.4

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