第22回 ~夫婦が共に支えるということ

こんにちは、筧です。何年か前に、友人のAさんが交通事故で腰の骨を折る大怪我をしました。全治不明、後遺症もどれだけ残るか分からないくらいの大変な怪我で、長い入院生活を余儀なくされました。当時、彼には婚約中の恋人がいました。

ある日、私がお見舞いに行くと、その彼女が「ほら、立って!今日もリハビリやるよ。」とAさんを車いすから降ろしているところでした。彼女はAさんを降ろすと、自分は離れてすたすたと歩いていってしまいます。「一人では立つこともままならないのに、リハビリを手伝わなくていいのかな?」と心配しながら見ていると、遠くの方から「それじゃあ、いくよー!1, 2 ! 1, 2!」という彼女の号令が飛んできました。総合病院の病室のフロアの長い廊下の端と端から二人は向かい合い、匍匐前進のようにして進みます。足の使えないAさんが赤い顔で力みながら、必死に腕の力を使って前へ進もうとしていました。

寝たきりの生活で筋力の落ちた彼はなかなか思うように進めません。一方の彼女も汗だくになって、Tシャツが汚れるのも構わず懸命に腕を動かし、号令を掛けてAさんを励まします。「1,2! 1,2!」声を掛け合い、お互いぶつかるところまで進むと、彼女は息をきらしながら、「すごいね! 昨日より多く進めたね!」とAさんの手を取り、笑顔で言いました。

最初の頃は、彼女の進んだ距離の方が、殆どを占めていたのが、次第に彼の前進する分が増え、ついには一人で廊下を渡りきれるまでになりました。8ヶ月以上にわたる匍匐前進のリハビリを続け、腹筋・背筋・腕の力をつけたAさんは歩行器を使えば立ち上がれるようになりました。そこから、さらに足首を鍛え、歩く練習をして、歩けるようになるまでに約半年。

彼の全快を待ってようやく二人は入籍しました。結婚式のとき、主治医は「正直ここまで回復できるとは思わなかった。二人の頑張りがもたらした結果です。」と洩らしました。今は普通の生活に戻ることが出来たAさん。妻となった彼女にあのリハビリのことを聞くと「あの時はもう必死でしたよ。でも、この人なら出来ると思ったから・・・。絶対に治してみせると思ったんです。」そんな彼女に「厳しいことも言われたけど、彼女が叱咤激励してくれたお陰でオレはもう一回歩けるかもしれないって。治ったら二人で新しい生活を始めるんだって思えたから頑張れた気がする。少し待たせちゃったけどね。」とAさん。

これまで婚活にまつわる話をしてきましたが、運命共同体として一緒に試練に立ち向かった二人の姿は、共に信頼し支え合うこと、夫婦の絆とは何かを教えてくれた気がします。

                                             H23.9.8

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