第17回 ~社会復帰に必要なこと~

こんにちは、筧です。前回お話したBさんとの別れは、私にとって大変辛く苦いものでした。会社として出来る雇用の限界・・・本当の意味でのホームレス支援とは、何か改めて考えさせられました。直接雇用の受け入れや外部の支援団体への仕事提供をしてきて、思うことがあります。ホームレスから社会復帰する過程で必要なものは何か。鍵となるのは、社会的信用の回復・人との絆そして各々の夢や目標を持つことではないかと感じました。

1つめの「社会的信用の回復」は、例えば納税です。給与を受けると所得税が発生し、次年度から市民税が掛かってきます。新たな住民票手続きがまだ出来ておらず、選挙権などの市民権がなくても課税者の対象となるので、直接雇用を始めた頃、該当スタッフに「市民税が来てるが、どうする?払えるか?」と確認したことがありました。スタッフは「払います!」と即答でした。「こうやってちゃんと税金を納めることで、昔の自分に戻れる。胸を張って生きていける気がするので、キツくても払います。」その積み重ねは、社会的信用と自らの回復に結びつきます。

2つめの「人との絆」は顕著でした。新しいスタッフが寮入居する際、、余裕があるわけではないので、取り敢えず私のお古のジャージや布団を持ち込んで、ということが多々ありました。すると「仕事、続けられそうか?」と聞いたときに冗談半分に「社長にもらったジャージがあるからなぁ。」と言うのです。他にも「自宅でおふくろさんの手料理を食べさせてもらった恩があるから。」「寮が空いてないとき、相部屋してくれた○○さんがいるから。」だから、簡単には辞められないと笑って、頑張ってくれるスタッフを何人も見ました。

逆に外部の支援団体が斡旋する宿泊施設から弊社が紹介する仕事に就いた人は残念ながら続かずに辞めていく人が多かったので、聞けば、入居者と施設側のスタッフの間では充分なコミュニケーションが殆どない状態でした。小さなきっかけで感じた人と繋がっているという思いが、途中で挫折して路上生活に舞い戻ってしまわないための抑止力となっていました。

3つめの「各々の夢や目標。」志がなく、日々の生活のことだけを考えていても長続きはしません。生活が立ち行かなくなると最低限の日払いの仕事を入れて食い繋ぐ、というような路上生活時代の働き方に慣れてしまうと、毎日出社して働くというのが出来なくなっている人もありました。志がある人は辛い現場でも厳しいことを言われても逃げないで、次は仕事の結果で変えてきます。弊社を卒業し、転職という次のステップに進んだスタッフ中には、かつての所帯をやり直す人・新しい家庭を築く人もありました。

                                             H23.7.28

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