第12回 ~優しさと厳しさの順番~

 こんにちは、筧です。前回に引き続き、今回も人材管理・部下教育をテーマにお話させて頂こうと思います。10年ほど前、ある部署にA課長、B課長、2人の管理職がいました。ちょうど新人のスタッフが2名入ったので、それぞれの課長が1人ずつ教育係としてつくことになりました。2人の新人は、日給1万円25日勤務で、給料が月25万円という同条件で入社してきました。

 A課長は、部下となった新人スタッフに向かって「これから一ヶ月、まずは30分早く出社。無遅刻無欠席で働くように。いいね?」と厳しく指導。もう一方のB課長は、「まずは職場に慣れていけばいいからね。よろしくね。」と、部下が当日欠席してもうるさく言わず、いいよいいよという、甘い態度で接していました。そうして一ヶ月が経ちました。

 2人の新人スタッフにも始めてのお給料が手渡されます。指導を守り、仕事に励んだ部下に対し、A課長は、給料の25万円に皆勤賞として1万円特別につけて「これからも頑張れよ、期待しているからな。」と部下の努力を労い、評価しました。B課長の場合は、どうだったでしょうか?「仕事にも慣れた?一ヶ月頑張ったね。」と優しく言ったかと思いきや、「君は先月これだけしか出社していないから差し引きしておいたからね。君も社会人なんだ。もっと自覚をもたないとね。」と叱りながら、目減りした給料袋を部下に渡したのです。

 さてこの2人の課長の指導、どちらの方法が、より部下が育つでしょうか?また部下は、どちらの上司をより信頼できるでしょう?2人の上司は、双方とも仕事の厳しさを部下に教えようとしていたものの、アプローチの仕方が違いました。でもこの違いは、大きな結果の差を生みます。

 実は、弊社の経営理念である「共に生きよう 伝えよう 厳しさと優しさを」は、当初「厳しさ」と「優しさ」の言葉の順番が逆になっていました。「共に生きよう 伝えよう 優しさと 厳しさを」というフレーズだったのです。この両課長の指導のいきさつを知った時、私はハッとしました。この2つの単語の順番は、決して間違ってはいけないのだと気付いたのです。失敗を後でなじったり、叱ることは簡単です。その寛容さは果たして本当の優しさなのか?人を育てようと思ったら、厳しさを教え、見守り、優しさで包んでやるという姿勢がないと、いたずらに時間を使うだけで、人はまっすぐに育たない・・・。

 すぐさま社員総会を開き、経営理念のフレーズを見直すことを話しました。そして、会社の体制・方針もこの理念にのっとり、組み立て直そうと全体で再確認した転機でした。

                                             H23.6.23

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