第11回 ~部下を見る目と伝える術~

 こんにちは、筧です。人材管理の難しさを語るのに「社長は社員を見抜くのに3年かかる。社員は社長を見抜くのに3日とかからない。」という言葉があります。

 入社間もない新人スタッフ2人をある管理職の上司が教育することになりました。入って早々に「あいつはいい奴だ。よくやってくれている。育つのが楽しみだ。」と評価されていたのはA君です。要領がよく、何でも手早くこなせるタイプ。しかも、教育係の上司にも「すごいですね。僕も早く○○さんみたいになりたいです!」と期待に応え、慕ってくれています。

 もう1人のB君に対する上司の評価は、「あの子は、ちょっとなぁ。鈍臭くって、ぱっとしないんだよな。ちゃんと続くかな・・・。」そう心配されていたB君は器用ではないけれど、自分のペースで少しずつ仕事を覚えていこうとするタイプ。口数が少ないので、上司としては意思の疎通が出来ているのか、やる気が本人にあるのか判断しかねているようでした。

 さて、半年後に自己都合で退社していったのは、どちらだったと思いますか?そう、有望株とされていたA君の方でした。仕事も一通り教えて、大切な取引先も任せていこうとしていた矢先のことで、上司は「あんな奴だとは思わなかった!」と憤慨しました。

 しかしながら、部下の本質を見抜けなかったこと、要領がよい反面、結果重視で強引な進め方をする彼に、仕事を地道にやることを教えず、過大評価して図に乗らせてしまったのは、その上司の責任でもあったと思います。そして、派手さはないものの丁寧な仕事をしていたB君は、もっと評価されてしかるべきだったでしょう。彼の掃除での雑巾の絞り方ひとつ、書類の出し方ひとつに、実はその実直な人柄が表れていました。

 会社が人を雇用するということは、抱えるスタッフ1人ひとりの人生にも少なからず影響を与えるものです。ようやく育てたA君の退社は、会社としての損失も大きかったですが、社内教育によってA君が人間的に成長する場を作れなかったことも残念でなりません。また、大器晩成型の人材には気が付かず、ともすれば失っていたかもしれないというのも問題です。

 このように上司が部下に対して伝え方・向き合い方を間違うと、会社という組織の求めるベクトルとは異なる方向に行ってしまうことがあります。さらに言えば、部下をコントロールしようと細かく口出ししすぎてもダメになります。「子どもは粘土細工では育たない」のです。

 上司が部下を適正に評価し、育てていく。人材育成・人材管理の現場では、部下に業務を教えながら、上司も上司としての立場とノウハウを一から学び、自らステップアップしていく必要があります。 

                                             H23.6.16

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