第10回 ~手入れ次第で自分の芝も青くなる~

 こんにちは、筧です。経営者の集まる会合に参加すると、時折こんな会話にであうことがあります。「お宅のところの営業マンは感じがいいですね。」とか「いやぁ、最近伸びて勢いがありますね。」などと、しきりに余裕の会社のことを褒めては、「それに引き換え、ウチのところは・・・。」と、自社の愚痴をこぼすトップのぼやき。まさに隣の芝は青く、花は赤いとでもいう風です。

 「うちの社員は出来が悪くて。」とか、「思うようにやってくれないから。」 だから、業績が悪いんだ、と愚痴る経営者ほど、実は日頃から自分のビジョンを全体で共有してなかったり、メンバーときちんと向き合う時間を作っていないな、と感じることが多いのです。

 考えてみれば、会社の代表として会合に参加できるのも、その人が悪く言うスタッフみんなに支えられてのこと。経営者はトップゆえの孤独もありますが、そうした周囲への感謝の思いを忘れてしまうと、方向性を間違うもとになります。数字が悪いことも、最終的には社長自身の責任であると、自ら受け入れる覚悟がなければ、なかなか理想とするビジョンに辿り着くことは難しいでしょう。

 自分自身を含め、経営者は今ある現状に感謝しながら、今ある現状に満足してしまわずに、高みを目指していくことが必要だと思います。また、本気で育てたいのなら、もっと自社のスタッフを褒めて伸ばしてやる。褒めて褒めて、成長したら、またその成長を一緒に喜ぶ姿勢を持っていたいものです。時に厳しい指示やステップアップを要求したとしても、そこに成長を見守る姿勢があれば、部下は自ずと努力をするのです。

 ある時、私は親しいA社社長と約束をしていました。待ち合わせのA社に、少し早く着き過ぎてしまったので、社長の戻りを待ちながら、会社近くの喫茶店で時間を潰していると、近くの席から聞き覚えのある声が聞こえてきます。「お前、うちの会社入れよ。うちの社長は、無口であんまり何も言わないけど、すっごく温かい人なんだよ。怒るとめちゃくちゃ怖いけど、でもみんなに慕われててさ、仕事も任せてくれるから、お前もきっと今の仕事より、やり甲斐感じて頑張れると思うよ。」声のする方を見ると、顔見知りのA社の社員が、向いに座った友人らしき男性に熱く語っているところでした。

 A社社長は、仲の良い私から見ると、おっとりしていて、そこがちょっと頼りなく見えやしないかと心配するのですが、芯がしっかりした人物です。心があって、筋の通った経営をしていれば、部下はこんな風についてくる。その見本をみせてもらったようで胸が熱くなる出来事でした。

                                              H23.6.9

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