第55回 ~人は磨けば光る輝きの原石~

こんにちは、筧です。このコラムも今回が最終回となります。約1年に渡り、毎週この紙面で皆さんにお目にかかることができました。ありがとうございます。55回のコラムのなかで、これまで様々なことを書かせて頂きました。社内の社員教育をしていて思うこと、膨大な就職面接を行なってきて感じたこと、ホームレス支援事業や婚活のための「結婚予備校」を通じてのエピソード、プロフェッショナルな仕事とは何か、経営者として学んだ持つべき指針、家族・周囲の人、メンターとの関わりについてなど・・・。

前編を振り返って、改めて感じたことは、やはり「人は磨けば光る原石である」ということと、「人は人で磨かれる」ということです。ああなりたいと思ったからといって、決して誰かに取って代われるものではありません。一生を通じ、それぞれ持って生まれた自分の持ち石を一生懸命自分で磨いて、そして周囲の人とのかかわりのなかでも磨かれ、育てられ、成長し、いつしか人は自分の輝きを手に入れるようになるのだと思います。思い返してみると、私自身これまでの自分がどれだけ周りに助けられて、生かされてきたのかをまざまざと感じます。生まれて50年、経営者としても20年の節目を迎え、いびつだったところは少し真っ直ぐに、角張っていたところは前よりかは丸くなったでしょうか。

そして、私もまた多くの人と交わるなかで、誰かの磨き砂となり、輝かせることが出来たでしょうか。私の座右の銘のひとつでもある、人生の三感「感心・感動・感謝」。三感の「感心」は、自分自身と目の前にいる相手に関心を持ち続け、学ぶ心。「感動」は、物事に感化された自分自身の心の動きを自然と表現できる素直な心。そして、「感謝」は自分自身を取り巻く環境にありがとうと言える謙虚な心です。この三つの「感」に鈍感であると、磨き磨かれる機会を得ていても、その機会を活かしきれずに過ぎていってしまうように感じます。せっかくの魂も曇ったまま、しおれてしまいそうです。人に対して感心・感動・感謝の心を忘れず、これからも自分の、そして人材派遣業である弊社のテーマでもある「人」を見つめ続けていきたいと思います。

ニュース番組のテーマソングにもなった福山 雅治さんの「道標」という歌の一節に、次のような歌詞があります。「人に出逢い 人を信じ 人にやぶれて/人を憎み 人を赦し また人を知る/風に吹かれ 泣いて笑い 生きるこの道」・・・とても心に響く言葉でした。人を信じ、人にやぶれた時、私達は傷つけられたと感じます。けれど、その傷もまたいつか輝くきっかけかもしれない。磨き磨かれるということは、摩擦を生じ、痛みを伴うものです。傷つくことを恐れずに、人の輪のなかに飛び込んでいきましょう!そして皆さんの明日の輝きを手に入れて下さい。

*今回が最終回となります。1年間ありがとうございました。

H24.5.18

第54回 ~憧れの先輩社長を目指して~

こんにちは、筧です。皆さんには、「センパイ」という言葉を耳にすると懐かしく、また顔を思い出してすぐ会いたくなるような大好きな人はいますか?学生時代のクラブ活動でしごかれたあの人。アルバイト先で教育係だったあの人。社会人になってから、一緒にプロジェクトで組んだあの時の、そして仕事終わりに飲みにいき肩を組みあった間柄の・・・その人。お手本だったり、「○○のようになりたい」と思う対象、自分の目標となる人のことを「ロールモデル」と言いますが、「憧れの先輩」という存在は、まさにそのロールモデルの役割を狙っているように感じます。

師と仰ぐほど遠くはなく、でも憧れて密かに目標にしている、そんな存在の人です。私が右も左も分からない若造の頃、経営者ばかりが集まるある会合ので緊張して固まっていたら、気さくに声を掛けてくれたAさんがいました。Aさんは、先代から継いだ小さな商いを丁寧に丁寧に固めては広げ、現場第一主義を貫いて、今や地域の誰もが知る、名の通った企業へと事業を成長させた人です。実直な性格で、人をお世辞で褒めたりもしないし、悪口も言わない。気になることは直接本人に助言するのがAさん流。誰に対しても分け隔てなく向き合い、引き受けた仕事や役をきっちりとこなす、そんな性分のAさんは、大会社の代表取締役となった今でも、おごりやたかぶり、上から目線で物を言うようなところを私は一度も見たことがありません。

お人柄に触れた周囲からの人望も厚く、会社の世話役などにも、おのずとAさんでなくては、との声が上がり、推されるほどです。Aさんを間近で見ていると、人として、男としてこんな風に生きたい、見習いたいと常々思います。向上心を忘れない。大切なものとそうでないもののメリハリをつける。徹底した自己管理。物を大事にすること。人を大切に育てること。当たり前のことを当たり前にやりきること。そういう人生の積み重ねの先には、人徳も肩書きも、そしてお金もあとから自然とついて来るのだと知りました。「なぁに、俺は根っからの金持ちじゃないから、そういう風にしか出来ないだけさ。」そういって豪快に笑うところが、ますます格好良い先輩です。

長年、飲みに連れて行ってもらっては、景気が悪い時には、「筧、苦労が大きければ、大きいほど、楽(ラク)うれし。とにかく粘れ!」と励まされ、「お前と俺とは創業の苦しみを知っている仲だ。これからもお互い頑張ろうな。」と肩を叩いてもらっての今日です。先輩の前では弱音も吐いて、自分のありのままをさらけ出してきました。自然体でいられる嬉しさと居心地の良さ。だけども、先輩に笑われたくない、恥ずかしくない男でありたい、と少し背筋を伸ばして歩く帰り道。まだまだ追いつけないその背中を追い掛けて、私の明日が始まります。

H24.5.11

第53回 ~地域の健康を見守り続ける町医者の眼差し~

こんにちは、筧です。ここ十数年ほどでしょうか。「かかりつけ医(ホームドクター)」を持とう、という提唱・啓蒙活動がなされるようになって久しくなりました。皆さんにも、決まった「かかりつけ医」やいざという時に駆け込める病院がありますか?今回は、地域に根ざした開院と独自の試みを行なっている二人の医師について綴りたいと思います。一人目の医師は、呼吸器科・循環器科・外科の診療・往診をしている開業医のA先生です。温和な性格で、分かりやすく丁寧な診療から、地元の高齢者にも慕われている評判の先生です。

開業してからは、現代病や生活習慣病というテーマにも意欲的に取り組んでおり、主に禁煙治療・睡眠時無呼吸症候群治療・メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)のケアなどにも力を注いできました。多忙ななか、今も症例研究や若手医師の指導に余念がありません。もう1人の医師は、産婦人科医の女医をしているB先生です。B先生は、女性の立場に立った診察が定評で、生理痛で来院した患者に対し「生理痛外来問診票」を用意するなど、きめ細かい症状の分析や薬の処分を行っています。

妊娠・出産が絡まなければ、なかなか足を運びにくいという婦人科のイメージを払拭すべく日々奮闘しているパワフルな先生です。診療を受ける女性の負担を減らし、まず気軽に相談にきてもらうこと。そして生理痛や月経不順・更年期障害など、何か少しでも心配な事があれば、きちんと婦人科にかかるという習慣づけをしてほしいと、待ち時間の少ない完全予約制、診察室はプライバシーに配慮した個室というスタイルでクリニックを開院しています。2009年からは、「思春期外来」もスタートさせ、思春期の子どもたちの心身のケアの受入れも強化しました。

二人の先生に共通していることは、重い病気になってしまう前の「予病」の大切さ、つい日常の生活のなかで軽んじられたり、見過ごしがちな疾患・健康不安に対して警鐘を鳴らし、生活習慣を正しながら、長い目で付き合って改善を見守っていることです。対症療法で、すぐに効果が得られるばかりではありません。とても根気のいることです。しかしそれは、患者を思い、愛しているその家族、闘病を支える者たちへのサポートケアでもあります。

この両先生の人に対する眼差しの温かさは、職域を超えたこんなところにも・・・。A先生はボーイスカウト活動に長く従事され、子どもたちの指導者としてまたB先生は正しい性教育やピルの知識を知ってもらおうと学校や地域で授業や講演をするアドバイザーとしても活躍中です。地域の人々を見守り、次世代を育てることに力を注ぐ姿は、医師である前に、1人の人間として模範にしたい生き方だと感じます。

H24.5.4

第52回 ~原点にかえる仕事 存続する企業であるために~

こんにちは、筧です。会社の私の部屋には、カエルをモチーフにした置物やグッズが沢山あります。気に入ったものをぽつぽつと買い集めているうちに、私が好きなことを知っている友人からもお土産などで頂くようになり、次第に増えていきました。カエルは、その愛嬌のある姿もさることながら、「無事かえる」、「若かえる」、「金かえる」、「さかえる」など、その名前にちなんで様々な願いが込められた縁起物でもある動物です。私個人としては、「初心にかえる」、「原点にたちかえる」という教訓のシンボルとして、ふとした時に思いだせるよう、カエルグッズを身近なところに置いています。

私塾で経営学を学んだとき、「事業内容は社会や時代に合わせて変えていってもよいが、企業は永遠なり、で末永く存続する強い会社組織を作らなければならない」と教わりました。その私塾で、お世話になり取引もある魚介の仲卸業を営むA社があります。A社は創業100年の歴史を持つ老舗の魚屋。三代目となる現社長は、その看板を守りながらも、自社で卸した新鮮魚介を流通させた小売り、テイクアウト寿司の中食(なかしょく)産業での成功を足掛かりに、そこから一歩進んで、回転寿司・居酒屋という外食産業にも乗り出しました。魚屋だからこそ新鮮な海の幸を提供できる、という強みを活かした戦略です。

それが消費者からも注目され、現在では中部・関東にテイクアウトの店舗も含め約20店舗を展開しています。社長には熱い思いがありました。近年、若い世代の和食離れが進むなか、島国日本の独自の食文化を守りたい、ご飯を囲む家族の団らんを守りたい・・・そして、なによりも自分たちが卸した魚を最後まで見届けたい。鮮度のよいものの本当の旨さを知ってほしい。食べてくれる人の笑顔が見たい。原点回帰して、「魚」を通じて、何を売りたいか?を考えるなかで、このような総合流通の形態になったのだと、私に語ってくれました。

「魚」・「食」というテーマは変えずに、それを研究し、とことん考え尽くして、多方面からアプローチした結果ゆえの成功だと感じます。本業の仲卸で培った100年分の経験とノウハウが揺ぎない基盤となっていることも大きいでしょう。人材派遣業をしている弊社でしたら、変えてはいけないのは、やはり「人」というテーマです。どうやって良さを引き出すか、どのように素材を活かした運用・活用をするのか。自社の事業に対する誇りと自身と信念を胸に、どう時代を生き抜いていくか。新しい社会のなかで、どんな役割を担えるのか。皆さんが立ち戻る仕事の原点はどこになりますか?

                             H24.4.27

第51回 ~ある会議が気付かせてくれたこと~

こんにちは、筧です。先日、社内で各部署の責任者を交えて行なう戦略会議がありました。ちょうど福利厚生に関わる新しい伝達事項があったので、私は議案の1つとして「○○の件は、これで進めていきたいと思います。皆もそれでいいですか?」と尋ねました。すると、ある幹部スタッフが手を挙げて、「社長!お言葉ですが、そういったことは社長と管轄部署で話し合って頂き、ここでは決定事項だけ共有化するのが良いのではないでしょうか。・・・それより、この会議は会社の5年後、10年後の方針を決めるためのものでしたよね。この会社はどの方向を向いて飛んでいくのでしょう?もっとそういったことを考える場にしたいです。」と言いました。

私はハッとしました。全く彼の言う通りです。肝心な「戦略会議」が定期的に行うなかで、いつの間にか、各部署に一斉に伝達できる利便性から「通達会」か「報告会」を兼ねてしまっていたことに少なからずショックを受けました。若い彼は、こう続けました。「大きな会社だったら、変わることはなかなか出来ないけれど、小さな会社だからこそ、みんな1人ひとりが気付けば、すぐに変われると思うんです。でも小さな会社だから利益も小さくていいわけじゃないって、前に社長も言われていましたよね。少ない売上でも大きな利益をあげれば、1人ひとりに還元できるって。・・・そうしたら、みんなもやりがいを感じて前向きにワクワクしながら仕事が出来ると思うんです。だからそのために、皆で共通の夢を持って進みたいなって、僕は思います。」

普段は淡々と業務のことしか話さない彼が熱く語ったことに、他の参加者も最初はビックリしていましたが、彼の発言をきっかけに、その後まとまって有意義な話し合いができました。今回の一件では、沢山の気付きがありました。「共に生きよう 伝えよう 厳しさと 優しさを」という経営理念を踏まえて、今まで私が伝えてきたことをきちんと汲み取って、スタッフ自らが成長してくれているのがまず嬉しく思いました。また、私自身が見えなくなっているときに、こうやって教えてくれる社風を保てていたことにも及第点でしょう。反対に、経営者としての自分には、反省の多い出来事でもありました。

質の高い会議ができない会社が大きな利益を生み出せるとは到底思えません。そもそも会議を行うには、参加者が業務を止めて、その時間を確保しなければならないのです。参加者10人で2時間の会議を何の生産性もなく、ただ慣例で行っているとしたら、会社は計20時間分の人件費を無駄にしているのと同じです。戦略会議は、会社のベクトルを決める大切な場です。全体会議はそのベクトルに向かうスピードと馬力を高めるためのもの。皆さんの会社の会議は、今どのように進んでいますか?

H24.4.20

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