第14回 ~ホームレス就職支援に携わって~

こんにちは、筧です。人材派遣業の弊社では、8年ほど前から草の根ながら、ホームレスの就職支援を行っています。きっかけは、ある会合で知り合ったシスターに相談を受け、彼女達が行っている名古屋市内の公園の炊き出しの横で、集まったホームレスから希望者を募り、その場で面接・雇用したのが始まりです。

その後、2006年から2年間「愛知ホームレス就職支援センター」に協力し、同センターの施設入居者への仕事提供にも携わりました。厚生労省が行っている「ホームレスの実態に関する全国調査」によると、今年のホームレス人口は、全国で約10,200人、愛知県では747人。炊き出しで面接を始めた当時(2003年)はさらに多く、全国で約25,300人、愛知県では2,121人という調査報告があがっています。

公園で一緒に腰を下ろして話をし、「俺のところでやってみるか?」と声を掛けました。ときには、悪い仕事の勧誘と間違えられることもありました。また、その筋の人にシマを荒らしていると思われ、難癖をつけられたこともありました。

仕事を斡旋する業者によっては、連れてきた日雇い労働者をプレハブ寮に住まわせ、日給から寮費・飲料費などを天引きし、さらに寮内でお金を落とすような娯楽を置いて、そこから出られないよう労働力を囲い込むようなところもあります。彼らホームレスに声を掛ける人間も様々なので、一般的な雇用と理解されるまでに時間を要することもしばしばでした。

働く意欲を見せる希望者に対し、仲間のホームレスが「そんなもの、また公園にもどってくるに決まっとるわ。一度ホームレスやったら、もう戻れんぞ。やめておけ。」と冷ややかな対応をする姿も見ました。「社長、わしも一緒に雇ってや。」と言う人は思いの外少ないのです。

これまでに100名以上の面接を行い、うち32名を直接雇用しました。現在も数名のスタッフが継続して業務についています。私が、小規模でも自社で出来る本当の意味での自立サポートをと思ったのは、学生時代の出会いにも機縁しています。高一のころ、通学路にあった図書館の近くで1人のおじさんと仲良くなりました。

その人は判事をやっていたのですが、友人の保証人を引き受けたことで借金を背負いホームレスになったそうです。学校帰りに寄っては、色々な話をしました。高三の誕生日に、道路工事の作業現場で拾った水晶をピカピカに磨いて渡してくれたのが嬉しかったのを覚えています。その後、彼とは連絡が取れなくなってしまいましたが、二人の間に生まれた男同士の小さな友情と交流が少なからず影響しているのだと思います。次回からは数回にわたり、支援を通して感じた命の重みや働くことの意味について考えます。

                                           H23.7.7

このページの先頭へ

株式会社リバースは愛知県稲沢市から人材派遣・人材紹介などあらゆるサービスを全国にご提供しています。